今年度から天沼教会に赴任してきた高橋祐希副牧師によるメッセージを、聖書のみことばと共に毎月お届けします。ミルトスの白い清らかな花のようにキリストの香りを放つ、インターン2年目牧師からのフレッシュな便りをお楽しみください。

 

『いとすぎは、いばらに代わって生え、ミルトスの木は、おどろに代って生える。これは主の記念となり、また、とこしえのしるしとなって、絶えることはない。』イザヤ書 55章13節


ミルトスの便り -2024年5月-

 

 『何を守るよりも、自分の心を守れ。そこに命の源がある。』箴言4:23

 

戦後のソ連で、違法に強制収容所での労働を強いられていた日本兵たちがいました。いつか帰国できることを希望に、その収容生活を耐えていましたが、あるとき一人の日本兵が癌を患い、彼の帰国は絶望的となります。仲間は彼に遺書を書くよう提案しました。しかし、収容所では所持品検査が厳しく、遺書が没収されてしまうのも時間の問題です。

 

何とかして、日本にいる彼の家族に遺書を届けたい。そう思い、仲間たちは手分けして遺書をすべて暗記することにしました。紙は奪われてしまいますが、記憶は誰にも奪われることがないからです。彼は収容所で最期を迎えましたが、仲間たちは帰国後、彼の家族のもとへ行きました。そして、ソ連兵の検査を逃れて守り抜いた『記憶の遺書』を届けたのでした。

 

私たちの意志や記憶、頭の中で考えたことは、誰にも奪うことができません。心だけはどのような状況に置かれようとも守り通すことができるのです。聖書は、そこに命の源があるといいます。心の中に何を守るか。それが、あなたの人生を決めるのです。あなたは心の中に何を守りたいでしょうか。